極彩色のモノクローム


「いらっ…あぁ、奈津。」


マスターは目を上げて
入って来たのが私である事を確認すると、
少し
驚いた顔をした。


店内には誰もいない。


これで商売成り立ってるんだろうか。


聞いてもきっと、

子供の心配する事じゃないと言われそうだけれど。


私はいつもの席に座る。



クラクラする。



熱があるからか、

聞きたかった声を

聞いたからか、

理由はよくわからない。



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