極彩色のモノクローム
「上にベットあるから、そこで寝るか?」
言われて、私は閉じていた目を開いた。
「帰っても、眠れないんだろ?」
問う声は、穏やかだ。
「…ここに住んでるの?」
私の問いかけに、マスターは
「そうだよ。知らなかったか?」
と言った。
「…いいの?」
私みたいな、
家出娘を家に上げて。
彼は、それを聞いて笑った。
「俺みたいなオッサンのベットでよければいくらでも。」
オッサン…て。
私は思わず吹き出した。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
私は頭を起こして、その顔を見てから言った。