極彩色のモノクローム


言われた部屋に、
私は足を踏み入れた。


綺麗に片付いた部屋。


沢山のCDと、
本が
壁一面に並べられていた。


部屋の奥の窓際に
ベットがある。


私は
そのシングルベットに
恐る恐る、腰をおろした。


シングルである事に、
安心している自分がいる。


目を上げて部屋を見回すと、
入口の扉に絵がかけられていた。


私の描いた絵だ。


いつの間に。


私は立ち上がって
きちんと額に入れられた絵を見つめる。


なんで、飾ってくれるんだろう。


寝室なんかに。


また、首を擡げ始めた期待に
私は首を振った。



< 66 / 173 >

この作品をシェア

pagetop