極彩色のモノクローム
そんなの、今はどうでもいい。


この溢れるイメージを
形にするのに手一杯で。


色の映らない目が

憎い。


この絵に、

色をのせられたらいいのに。


「出来た。」


私は目の前に
描き上がった絵を掲げた。


白黒の水面。


「ね、色をつけたり出来ないかな?」


絵を覗きこんだ玲奈さんに言われて、
私は玲奈さんに顔を向けた。



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