極彩色のモノクローム


何が起きたの?




聞きたかったけど、

聞けなかった。




ママは泣いてて、
パパは凄く怖い顔をしていたから。



ただ、
普通じゃないのだけはわかった。



奈々の顔は真っ青で、

ぐったりした体は、

まるで…




「奈々?」




呼び掛けても、

返事は無い。




「奈々ってば…」



足に手をかけて揺すってみる。



「よしなさい、奈津。」



パパに言われて、私は手を引っ込めた。




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