極彩色のモノクローム
綺麗なフライパンに卵を流し込むと、
ご飯を乗せて、包んでいく。
「へぇ、器用だね。」
言われて、私はお皿に乗せてケチャップをかけたオムライスを差し出した。
「普通のオムライスですけどね。きっと、もっと美味しくなるやり方があるんでしょうけど。」
言ったら、真船さんは嬉しそうにお皿を受け取った。
マスターが出したスプーンを片手に、
真船さんはいつものテーブル席に戻る。
「美味いよ、奈津ちゃん。」
真船さんの声に、
私は苦笑した。
だから、普通のオムライスですってば。
たぶん、お金が貰えるような品じゃない。
それでも、
此処は居心地がいい。
皆が私を認めてくれる。
こんな体験初めてだから、
なんて言ったらいいかわからなくて。
横を見たら、
私よりも嬉しそうなマスターと目が合った。
私が首を傾げると、彼は
「俺にも。」
と言って、目を細めた。
「はいはい。」
そのつもりでご飯を二人前入れたの、
気付いてるんだから。
私はバターをフライパンに落としながら、
卵は黄色だよね、とか
考えていた。
灰色にしか見えないそれを、
私は箸でときほぐした。
ご飯を乗せて、包んでいく。
「へぇ、器用だね。」
言われて、私はお皿に乗せてケチャップをかけたオムライスを差し出した。
「普通のオムライスですけどね。きっと、もっと美味しくなるやり方があるんでしょうけど。」
言ったら、真船さんは嬉しそうにお皿を受け取った。
マスターが出したスプーンを片手に、
真船さんはいつものテーブル席に戻る。
「美味いよ、奈津ちゃん。」
真船さんの声に、
私は苦笑した。
だから、普通のオムライスですってば。
たぶん、お金が貰えるような品じゃない。
それでも、
此処は居心地がいい。
皆が私を認めてくれる。
こんな体験初めてだから、
なんて言ったらいいかわからなくて。
横を見たら、
私よりも嬉しそうなマスターと目が合った。
私が首を傾げると、彼は
「俺にも。」
と言って、目を細めた。
「はいはい。」
そのつもりでご飯を二人前入れたの、
気付いてるんだから。
私はバターをフライパンに落としながら、
卵は黄色だよね、とか
考えていた。
灰色にしか見えないそれを、
私は箸でときほぐした。