街で君の唄を聞いた
「ちょっと待て!何でコイツとそんな仲になんなきゃいけねーんだよ!」
「つかそう思ったのは何故!?不思議としか言いようねー!!」
「二人とも凄い嫌そー…」
「何?嫌なん?じゃあ俺と「ふざけんな」
「レザは女の子大好きやもんな〜。だからレイヒちゃんも大好きやもんな〜」
「おいちょっとそこの双子黙れよ」
なんかもうツッコミ満載。
つっこむしか選択肢がないような気もするしあるような気がする。
否、多分無いからつっこんでるんだと思う。
うん、そうしよう。
「仲が良いな」
肩を揺らしながら笑う。
何が面白いんだ、ベルアーノ王。
「はは…。まああの人達は、きっと自分が強いとだけ思ってればいいんですよ」
「それもいいが…。君はそれをまとめる役なんじゃないか?」
「それは冗談ですよね。そんなこと無理ですって。冗談も程々にして下さいね」
「いや?冗談なんかじゃない。君は色んな力を持っているから、大丈夫なんだ。彼等は本当に守るべきもの…否、護るべきものを知れていないんだよ。ただそう思うだけで、実際は違う。それを君が教え込むんだ」
護る。
それは一番難しいと思う。
誰かが傷付く代わりに、自分が罪を背負い、更には心身共に傷付く羽目になる。
誰も傷付く事がないようにとは、難しい。
何よりも、難しい。
“彼等はそれを知れていないんだよ”
それを教えるのは、あたし。
今異世界にいる、神志冷灯が彼等に教え込まなければならない。
…どうやって?
あたしは何も知らない。