街で君の唄を聞いた
ナ ニ モ シ ラ ナ イ 。
「あぁ、そうそう。君らには怪我が治ったら他の大陸まで行ってもらうから。質問は受け付けるけど、異議は受け付けないよ」
「はぁっ!?何でやねん!!」
「質問はご丁寧にしようね、レザ」
「…なして行くことになったんや」
「うん。選ばれし者を集めてもらうため。今後何があるか分からないし、何より今は危機が迫っている。集めてきたら東大陸に戻ってきてね」
「…今更やな…」
「勿論の事、僕は行かないよ?だって僕がいったら誰が東大陸を治めるの?ベルアーノはまだ今の現状を分かり切ってないし、無理だよね〜」
「…ほんまムカつく奴や…」
「色んな人で守るから大丈夫だよ」
「それは私も入っているのか?」
「落ち着いたらやってもらいますよ」
「何だ?今の皇子は鬼畜なのか?」
「何言ってるんですか。心優しいこの国の皇子に決まってるじゃないですか」
何かやたらとニコニコしてないか。
これは気のせいなんかじゃない。
あからさまに黒いオーラ放ってるのだから。
ジュマルド皇子から出る黒いオーラはなんなんだ。利用する気か。
しかも何かレザからは、ホントふざけんなって感じが漂う。というか漂ってる。進行形。なう。
レザの言葉なんて一切無視、って感じなのか、それともその答えを待ってました、と言うべきなのか…。
絶対に間を開けないと、一人でベラベラ喋っていたに違いない。きっとそうだ。
じゃなきゃ一回一回長く話さねーよ。
まず一回一回長く話せることが疑問。
事前に用意しておいたとか?
…どんだけだよ。
「俺はそこまでではないが、レザとメレナの治療に至っては時間が掛かるだろう。ゆっくりしていればいい」
「今ゆっくりしぃへんと、この先ゆっくりできへんかもよ?」
二人の言う通りだ。
休養期間中は安静にしてからじゃないと、この先なにが起こるか分かんないわけだし、万が一の事も考えて言ったんだ。
…てか魔法で治せないのか?