街で君の唄を聞いた






…その日の夜。

昼間に皆で話して、あの派手なお姉様方が言っていた事を確かめるべく、森へと向かうことに。

発光する森なんて、かなりレアだろ。
怪しからん。
見に行かない訳にはいかない。

好奇心旺盛の血には逆らえないな。



静かに行動しなければならない為、馬を二人乗りする羽目になったのだが。

あは。



「レイヒちゃんを乗せるのは俺や」

「ハッ。誰が変態エロ魔神のやつに乗るか」

「お前に言われたないわ!」

「…絶対お前等のには乗らないからな。そこは分かっとけ」

「「…はい」」



断固拒否した後、結局先頭はメレナとカヅムで、二頭目があたしとヴィーノで、三頭目がコルクとレザになった。

何かすっげぇ揉めてたけど。

聞こえてきたのは、男には興味あるわけがねぇ、ってなんだけども。


いや、男にそういう趣味あったらキモイしまず近付いてない。避けてる。確実に。



「何でまたヴィーノと一緒の馬なんー?ありえへんー」

「はあ?ヴィーノの馬にまた!?」

「仕様がないやろ」

「つか少し黙ってもらえないか」



後ろと前から飛び交う罵声と真面目な声に挟まれてる。

…居辛い。

しかもヴィーノは何も言わない。無言。
更に居辛い。



…背中広いなー。
あ、微妙に髪の毛長い。微妙すぎる。
でも綺麗な紺だ。
髪の毛細かい。


…おぉう…いかんいかん、余計なことを考えてしまった…。

でも何か羨ましかったりする。
所謂嫉妬。



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