街で君の唄を聞いた

うーん…でも色々困る…様な。

いや、絶対に困る。超困る。

だって早くしなきゃいけないんでしょ?



「特徴等は何かありますか?」


え、まさかの捜す?
ここまで来て!?



「特徴…ですか。うーん……これといった特徴…。あ、彼は右目の方に眼帯をしています。前髪で隠れて見辛いですが」



あ、あれ。
何か一人思い浮かぶお人がいらっしゃる。

しかも会ってそこまで経ってない人。

いやいや、是非とも間違っていてほしいんですけどぉぉお!!



「…なぁ」

「ん?」



前を向いていたヴィーノが、くるりと180°回って、こちらを向いた。



「俺、ユレリアしか出てこねぇんだけど」


「「…………………」」



沈黙。

今二人して、とっても苦い顔してる、に違いない、だろう?

あと初めて意見一致した気がする。


あら、今日は気が合いますね、ヴィーノさん。

そしたらヴィーノはまたくるりと回って、王女と向き合った。



「王女、私は一人思い当たる人が居ます」

「西大陸にお知り合いが居るのですか?」

「どの大陸出身なのかは聞いておりませんが…、西大陸に来る途中に眼帯をした海賊と遭遇しました」

「まぁ…。無事に来られてなによりです。して、その方のお名前は?」

「レンム=ユレリアです。彼は次は西大陸に訪れる、とのことです」

「レンム!?」



…!

やっぱりユレリアなのか…!?
っていうか話の流れ的にユレリアっぽいよね!

だってもう特徴当てはまってるし!


…嘘だと思いたいのは何故だろう。

でも王女の驚き方が、半端ない。

だって玉座から勢い良く立ち上がったし。


効果音付けるなら、バッ!だね。バッ!

< 168 / 236 >

この作品をシェア

pagetop