街で君の唄を聞いた
うーん…でも色々困る…様な。
いや、絶対に困る。超困る。
だって早くしなきゃいけないんでしょ?
「特徴等は何かありますか?」
え、まさかの捜す?
ここまで来て!?
「特徴…ですか。うーん……これといった特徴…。あ、彼は右目の方に眼帯をしています。前髪で隠れて見辛いですが」
あ、あれ。
何か一人思い浮かぶお人がいらっしゃる。
しかも会ってそこまで経ってない人。
いやいや、是非とも間違っていてほしいんですけどぉぉお!!
「…なぁ」
「ん?」
前を向いていたヴィーノが、くるりと180°回って、こちらを向いた。
「俺、ユレリアしか出てこねぇんだけど」
「「…………………」」
沈黙。
今二人して、とっても苦い顔してる、に違いない、だろう?
あと初めて意見一致した気がする。
あら、今日は気が合いますね、ヴィーノさん。
そしたらヴィーノはまたくるりと回って、王女と向き合った。
「王女、私は一人思い当たる人が居ます」
「西大陸にお知り合いが居るのですか?」
「どの大陸出身なのかは聞いておりませんが…、西大陸に来る途中に眼帯をした海賊と遭遇しました」
「まぁ…。無事に来られてなによりです。して、その方のお名前は?」
「レンム=ユレリアです。彼は次は西大陸に訪れる、とのことです」
「レンム!?」
…!
やっぱりユレリアなのか…!?
っていうか話の流れ的にユレリアっぽいよね!
だってもう特徴当てはまってるし!
…嘘だと思いたいのは何故だろう。
でも王女の驚き方が、半端ない。
だって玉座から勢い良く立ち上がったし。
効果音付けるなら、バッ!だね。バッ!