街で君の唄を聞いた



「まだほっつき回っていたのね…!」

「まだ…と言いますと、ユレリアは数日間、海を回っていたのですか?」

「数日間どころではありません!レンムは数ヶ月も戻ってきていません。西大陸の唯一の選ばれし者だというのに…!あの男は選ばれし者としての自覚がいつも無い様に見えます!何かあってからでは遅いというのに!」



おぉ…怒り爆発した。

っていうかやっぱり王女も、女性だなぁ。

一同唖然としている中、一人で怒りを爆発させた王女は、ワナワナと震えている。

…誰も口を開こうとはしない。
開けるわけがない。

しかし、誰も喋らないのが漸く解ったのか、顔は見る見るうちに赤くなっていった。



「す、すみません…私ったらはしたないですね。取り乱してしまい申し訳ありません」



赤らめる王女…ぷりちーです。

照れるとか、恥ずかしそうにとか、なんていうか羞恥心あっていいと思う。

羞恥心という言葉は、レザやメレナには絶ッ対に無いと、言い切れる気がする。
…だって変態だし、エロいし。

うーん、どうやったら治る…というか羞恥を覚えてくれるかな…。



「コホン…レンムは西大陸に戻ると先程仰りましたよね?」

「ええ」

「…ちゃんと戻ってきてくれるとよいのですが…。何せ暫く私と会ってませんし…。あの人、兎に角我が儘で、正直此方としても困っているんですよ。本当は優しい人なんですけどね…」



困らせるの大好きだな!

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