街で君の唄を聞いた

…でもユレリアが船長なんだから、海賊さん大丈夫なんかなぁ?

あ?

襲わなくなるからいいのか!
ははは、じゃあさっさとユレリア抜いてこないといけないなぁ!



コンコン



「王女、来客が」

「どうぞ」



ら、来客?
なんかちょっと身構えちゃうんだけど。


ガチャリという音と共に入ってきたのは――、



「久し振り」

「レンム!!どこをほっつき回っていたのですか!!お客様が折角来てくださっているというのに!」

「リレズ、そんな怒らないでよ。俺だって師のあとを継いでるんだからさ」

「だからといって…!」



―――ユレリア、でした。

…つかさっき、王女の事、呼び捨てにした?
え、どんだけ俺様な子なの、この人。

王女の前なのにヘラヘラして、ニコニコして、どんだけ自己中なんだよ。

…いいもんなのかなぁ…?



「それにレンム、あなたは列記とした選ばれし者なのですから、もっとしっかりなさい!みっともない!」

「選ばれし者だからって、しっかりしてるとは限んないよ。それに俺は根っからの自由人なんだからさ」



…呆れたー…。
超呆れたー…。

自由人だからなんだよ。
こっちだっていきなりここに来たら『選ばれし者ですね』なんだからな!?

しかも戻る方法とか解ってないし。

さっきの言葉、あたしに喧嘩売るのも同然だったぞ。

売られた喧嘩は貰ってやる。
あ、買ってやるか。

まぁどっちでもいいよ。


ああ、ユレリア殴りたくなってきた。



「まぁ、もういい加減戻ってこようとは思ってたんだけどね」

「と言うことは、このお方達に同行する、という風に思っても良いのですね?」

「ああ」



< 170 / 236 >

この作品をシェア

pagetop