街で君の唄を聞いた

今の王が可笑しい?

それって操られてるとか?



「時々、北大陸出身ではない奴が出入りしているらしい。その所為なのか、あまり他大陸の人間を歓迎していない。…俺達も行ったら、石やら何やら投げられるだろうな」



やべぇやべぇやべぇ、住民ぱねぇ敵対心抱いちゃってるよ!

どうしちゃったんだよ王様ぁあ!!
やっぱり操られてるのか!?
だって北大陸出身じゃない奴等が出入りしてんだろ!?
絶対にそいつ等だって!



「交渉はする。その間は西大陸に長居する事になる。交渉決裂…は、ないだろうが…。受け入れてくれればいいんだがな…」



あれれ、珍しくヴィーノさん弱気ですね。
一体どうしちゃったんですか、オイ。

弱気とかキモいですよ、悩んだお顔にならないでくださいよ。



「…北大陸はもうずっとあの状態だからな。警戒するのも無理ないだろ」

「え、そなの?ってか何でカヅムがそんな事知ってんの。超意外」

「………色々あるんだ」



えぇー、そんな苦いお顔にならないで。

や、でもホントに意外だったからさ。
驚くぐらいいーじゃーん。

まぁ心の中だけにしてほしかったのかもしれないけど。
あたしがそれを知るわけがない。
というかしようとしない。

そんな非常識…までではないけど、近い人間なのかな?



「あーうん。でもさ、どうやって手紙送るの?」

「連絡用の鷲で送るんだ。全大陸を通して使用している鷲だから、恐らく手紙が届かないという心配は無いだろう」



…鷲すげぇな。
伝書鳩ならぬ伝書鷲。

最強じゃん。

なんか賢そうだから飼ってみたいかも。
目とかもキリッとしてそうだし!

うわぁ、想像しただけでテンション上がるー!



「…」



―――だから、思い詰めた顔をしていたメレナを知らなかった。


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