街で君の唄を聞いた
+ラグアスSide
さっきの人は、本当にただ者じゃない。
周りの人との力の差が歴然としすぎていた。
俺が読み取れない程だ。
それに精霊、竜ときたら、国家以上の血はない。
呼び出すのに必要な血を使わず…破壊力も思った異常だ。
一瞬で城を襲った魔物を消し去った。
聖霊じゃないだけ、まだ国家で止まるけど…。
クレイアさん、って冷灯は言ってたな。
あの人にはまた会う気がする。
ま、今日は兎にも角にもお開きだな。
休んで大分足が楽になってきた。
これだったら明後日には行けるな。
『なぁ、神子に会ったことあるか?』
『神子?何でまたそんな話…』
『こないだ神子に長が会ってきたんだと。太陽の神子と月の神子の二人が世界の軸を支えてるんだってよー』
『へぇ。じゃあそれ相応の力があるのか』
『お前は時(リンネ)の選ばれし者だから、いつか会うと思うけどな』
『何で時(リンネ)だけ?』
『いや、他の選ばれし者も会うとは思うけど、時(リンネ)は唯一太陽と月の両方に関わってるからな。まあ遠ーい親戚だと思えばいいだろ』
『ふぅん…』
『ま、何かあったら頼みに行くのも手だと思うぜ』
…うわ、何か昔の夢見たし…。
結局昨日はお開きだったし。
でも懐かしいなー。
太陽の神子と月の神子の話。
確か場所って…東大陸と西大陸の端にあると聞いたな。
今は西…ということは月の神子だな。
明日辺り、行ってみるか。
うーん…でもどうしよう。
もし力が手に入るとしたら、絶対に負担がでかすぎて俺は二つも持てない。
かと言って他の奴らには、そんなことさせたくない。
月…月…あ、ヴィーノは絶対連れて行こう。
大人数は避けたい。
うーん…選抜するのは難しいなー。