街で君の唄を聞いた

そんなこんなで皆を探し回った末―――。



「はーっ…はーっ…」

「そんなに疲れるなら走んなきゃいいのに。眼鏡君も阿呆だねー」

「う、うるさい…。しかも眼鏡君って、なんだ…。俺そんな名前じゃないし…」



超疲れた。
闇雲に探し回ってたというのもあるけど、何でか急いでた。
結果、疲れる。
くそっ、何で一番最初に見つけたユレリアは飄々としてられるんだ!!

冷灯は無駄に足早いし、ヴィーノやコルクロットもユレリアみたいに疲れてないし…!
…俺の体力の無さ…。



「ほら、王女のとこに行くんやろ?早うした方がええと思うんけど」

「だっ…だから今ッ…向かってんだよ!!」

「ほいっ」

「ッ!?」

「何やそれ!ユレリアユレリア!俺にもそれやってーや!」

「えー、だってコロちゃん疲れてないじゃーん」

「ちぇっ。つーかコロちゃん言うな」

「話してないで止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」



こんなとこで力使うなよユレリア!
光の球が背中を押してくれるのは助かるけど、足着かないから止めること出来ないし、しかもどんどん速度増してきてる!

あぶねーなオイ!
衝突するだろ!


………!!
王室の扉ッ…!

ヤバい。
このままだと激突する。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。
マジで止めて。



「ぶつかっ…………る?」



間一髪のとこで、止まった。

あ、コレって…。



「大丈夫か」

「…止めるなら早くに止めてほしかったかな」



体を鞭で引き止められた。
色もそうだし、大分距離あったから、力使ったな。
助かった…。



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