街で君の唄を聞いた
あぁ、そうだ。
これからの事を考えないと。
「月の神子、次は北大陸に向かいます。クリアラ様、太陽の神殿に派遣願いできますか」
「承知した」
「…月の力は保護力があります。神の御加護を授けましょう。…ラグアス様、これを」
「…指輪?」
「指輪には月光(ライア)が宿っています。使えなくなる、という事は、指輪を壊されるまでありませんので」
「ありがとうございます」
「それでは皆様、お気をつけて」
月の神殿を出た後、直ぐにクリアラは太陽の神殿へと行ってしまった。
俺等は、というと、行きの様にユレリアの力で王女の元へと帰還。
ルーデルを連れてきた時は、心底驚いていた。
そりゃあ、鳥怪族が本当にいるとは思ってなかったからだろうな。
当の本人はヘラリヘラリしていたけど。
でも俺が驚いたのは―――
「――北大陸と連絡がとれた?」
「ええ。何故なのかは私の口からは言えませんが、北大陸関係者と連絡がとれまして。明日には出発した方がよろしいかと思われますわ。今は休戦中らしいので、早めに行った方がよろしいかと」
「わかりました」
「北大陸へは船移動となりますので、ユレリアに任せましょう」
まさか北大陸に、こんなにも早く行けるとは思ってなかったな…。
ぶっちゃけ、面倒だな。
休戦中とはいえ、何をされるか判らない。
もしかしたら、こないだみたいな変な奴等に狙われるかもしれない。
…ま、俺は一応後ろも見れるからな。
指輪もあることだし、多分次は大丈夫だろ。
さ、身支度しなきゃな。