街で君の唄を聞いた
「何であたしが乗れないって知ってんの?」
「顔に書いてる。ま、兎に角乗せてやるから」
「…や、教えてもらえばできるから」
「教える時間が勿体ねぇ」
この野郎…!!
絶対少しで済むだろ!!
嘘ついてる!絶対ついてる!!
「ぅおっ!?」
「…せっと。お前軽。何食ってたんだよ」
「別に何でもいーじゃん」
よっ という声を出してヴィーノは馬に軽々しく乗る。
アレ。
これ
密着してないか。
「ちょい飛ばすからココ、捕まってろ」
「はい…」
…ジンジンする。
尻がジンジンするッ…!
「ここがツツクルド。よし、連れんとこ行くぞ」
「あいあいさ…」
ヴィーノがドアを開けると同時に、チリンという可愛い音を鳴らす小さな鐘。
+多分ここは宿屋でそのカウンターをいると思われる店員さんの明るい声。(ヴィーノの後ろでよく見えない)
「ここに連れが来てる。赤髪と緑髪の二人なんだが」
「あっハイ!そちらの方は104号室におられますよ♪」
「ありがとう」
あっさり会話を済ましたたヴィーノは、直ぐ歩き始めた。
ヴィーノのオマケみたい、というより金魚のアレみたいで少し距離を離したバージョンで小走りする。
…早いっちゅーねん…。
コンコン
「俺。ヴィーノ」
と 言った瞬間、ドアが思いっきり開いた。
「ヴィーノ?待っとったわ〜」
「ヴィーノ来たん?」
「ああ…って どえぇ!?」
「どしたん」
「ヴィ、ヴィヴィヴィヴィーノが女の子連れとるー!!」
「ななななんやて!?」
関西弁。
何でここにも存在してんの!?
世の中不思議だ…。
「ち が う !!コイツは倒れてたから助けただけ!」
「な、なんやねん…。ビックリしてしもーた…。まぁそりゃそうだよな。ヴィーノが女の子なんてさらって来る筈ないもんな」
「それはそうと、君何て名前なん?教えてくれや♪」
「え、あ、ハイ。神志 冷灯です」
「「ん レイヒちゃんやな。よし」」
二人綺麗に揃ったな…。