街で君の唄を聞いた
あたしはケイルの料理食べたことないからわかんないけど…。
そこまでなの?



「ロネック…別に悪い訳ではありません。一流のシェフにする為に私がみているのでしょう?」

「確かに一流シェフになりたいですけど!でも…でも…!!」

「兎に角、戻りってきなさい。事が進まないでしょう」

「やだー!シーマさん見逃してよ!」

「………言うことが聞けないなら、あの時の条件は無しですね。全く…ロネックはどうして大人にならないのですか。もっと周りのことを考えなさい」

「じょ、条件は無くさないで!あたしなりに周りの事は考えてるつもりよ!」

「お馬鹿。自分自身の事も考えなさい。それに“つもり”ではいけません。さ、行きますよ」

「!降ろしてー!!あたしはまだレイヒと話したいー!!」

「今度厨房にお顔を出してくださると嬉しいです。それでは失礼します。レイヒ様」




パタン





嵐が過ぎ去った時は、かなり虚しく感じてしまうのは何故だろう…。

シーマさん爽やか(イケメン)なのに、何か強引で黒かったな…。
腹黒い人って多いのか…?




「それは違うネ」

「あぁそうなの?………え!?だだだだだだだだ誰!?」




オレンジ色の髪の毛は、華麗に舞う。

ストンッと音をたてて着地したかと思うと、顔を覗いてきた。


…ちけーよ。



「顔が近いんですけど」

「漆黒はやがて、光を覆い尽くすだろう。君は間違った道を歩くと呑み込まれる。そんな感じだネ」

「は?」

「ま、気にしないでいた方が楽だヨ」



何だコイツ。
勝手に入ってきたと思えば、変なこと言い出すし…。



「別にへーんな事じゃないヨ。本当の事。あ、僕は読心術使える身だからネ?」

「まじか!!」

「レイヒ、これから大変な目にも遭うヨ。因みにまだ少しだけだけど、先読みは出来る。今日の夕方、大変な事が起きる」

「え、もしかして帰れるとか!?それか友達出来るとか!?」

「それは違うよーん」

「…じゃあ何?」




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