街で君の唄を聞いた
ふわり…ふわり…。
この感じを例えるなら、雲を転々と移動してる感じ。
体が軽くて、ステップなんて楽勝。
今ならどんなリズムでもいける。
夢の中だと、何でも出来んのかな。何でも思い通りに出来んのかな…。
そうだったらさ、今日起きる襲撃をなくしてほしいんだよなー。
そしたら誰も怪我しない。
誰も死なない。
いいじゃんそれで…。
平和が何より何だからさ…。
嗚呼、この足場は揺れる。
何か不安定なんだろう。
………足場が不安定ってヤバくね…?
しかも何かビシビシいってきてる。
早く、早く違う足場に移動しなければ、落ちてしまう。
深い深い底へ。
落ちずにいられたら、
何か得られるか?
その答えを知ってるのは……。
“死ぬんじゃないぞ”
…!?
誰だよ!?
どっから聞こえる!?
「お前の後ろだ」
「ギャーッ!!!寄るな馬鹿!」
「馬鹿とは何だ冷灯。折角お前の夢の中に来てやったというのに…。無礼極まりないな」
「…何で…名前……」
「まだ私の正体を知るのはまだ全然早い。今は知ることより襲撃事件の事を考えろ。ベルアーノが東大陸を襲うんだぞ」
「だったら起こせよ!ジュマルド皇子とレイとフィレシアと練らなきゃ…!」
「そうか。そんな風には見えなかったが…。それでは私は不要。お前は熱があるんだから安静にしていろ。…そういえば伝え忘れた事が一つあるな」
「つらつら喋らず簡潔に言えよ」
「お前は私の力がある。それだけだ。じゃあ」
「は!?…ちょっ…!!」
彼は一体誰だったんだ。
私の力があるって何…?