街で君の唄を聞いた

ガバッと起きると同時に、冷たいタオルは落ち…。


同時に効果音が聞こえてきた。


ゴツンって。




「「ってぇ!!!」」




彼、あたしのでことフィレシアのでこが激しい音を発ててぶつかったのだ。


(脳震盪起こしそう…!)



今のせいで頭はグラグラするし、まだ体は熱のせいで火照っているし、若干目眩がする。

っくぅ…こんな時に…。




「あたたたた…。ハッ!姉ちゃん熱は!?というか俺とぶつかったでこ大丈夫!?」



彼はかなり慌ただしくしている。

表すのならば、オロオロ。



「あたしはいいよ。フィレシアこそ大丈夫なの?」

「俺はいーの!今レイ姉ちゃんとジュマルド皇子が話し合ってて、待女さんには俺から言ってでていってもらった!俺が世話したいから!」

「何かあたしがペットみたいになってるんだけど、気のせいだろうか。うん、気のせい気のせい」

「…ペットって何?」

「フィレシアみたいに髪の毛がフワフワしてる動物」

「うわっ!!姉ちゃんいきなり何すんだよ!」

「はわわわ…!!ヤベェヤベェ!フィレシア髪の毛フワフワしてて可愛い!飼いてー!」

「可愛いっていうなー!」






これが、襲撃を受ける前か…。

人といるのが楽しくて、笑いあって、時には怒ったりしてさ…。
平和って、人といることなのか?




…クン……ドクン…ドクン‥ドクン…





まただ…。

また心臓の音…。



これはきっと…ベルアーノ王の音…。

もう直ぐ来るんだ…。




悲劇の襲撃事件が…。



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