街で君の唄を聞いた
そして、また頭の中で流れる映像。
…ベルアーノ王の過去。
笑ってて、幸せそうな過去。
…どうして不死身になった…?
不死身は苦しむ…。
だって何時まで経っても、死ねない。死ねない体になってしまったから。
だから、苦しい。
それをあたしに伝えようとしているのか。
だから映像が頭の中に流れ込むのか。
喚く。叫ぶ。
繰り返して、繰り返して。
遂には自分を忘れてしまうほどになるのか。
周りなんて見えなくなるのか。
人なんて、分からなくなるのか。
…シン
「!?今揺れた!?下の方で…!!」
「思ったより早い…!!レザ兄とメレナ兄がやっていた封印はもちこたえれなかったのか!?」
「レザとメレナはどうなるの!?」
「わからない!だけど最悪の場合、ベルアーノ王に殺されてしまう!!」
「そんな!!」
大切な人が亡くなるのは、どれだけ辛いか知っている。
例え昨日会ったばかりだとしても、今日会ったばかりだとしても、大切な人は大切な人。
殺させるわけには…!!
「ッ姉ちゃん!?」
もうフィレシアが声をかけてきた時には遅かった。
急いで彼等の元へと走ったのだから。