街で君の唄を聞いた

父さん、母さん、兄貴達、みんな。



死んでしまったらごめんなさい。




「レイヒ様!?」

「レザとメレナはどこ!?」

「あなた様は王室で待機していて下さい!ここは危険ですので、我々が…!!」

「いいから教えてよ!!」




「ぐぁッ!!」



…今のは何。



「クソッ!!マジで半端ねぇな!!」

「だって初代王やったんや。強いのは当たり前とちゃうんか?」

「そうだな」




レザにメレナ…!!


遠くに見える彼等は、既に頭から血が出ている。

それでも尚、剣を構えている。


いつも余裕ある顔が、全くない。
目が、殺意に満ちている。






コロサナイデ。






「レザにメレナー!!」

「レイヒ様!どうかお戻り下さい!」

「目を覚ませー!!」



普段の彼等は、もっと、もっと優しくて暖かい眼をしているんだ。
少なくとも冷たい眼はしていない。



だから、だから、殺さないで。





自分を、殺さないで…!!





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