街で君の唄を聞いた
…ジュマルド皇子は王族。
じゃあジュマルド皇子はベルアーノ王を止めることが出来るはず…!!
あたしは熱があるにも関わらず、全力で王室へと走った。
「ジュマルド皇子!」
「レイヒ様!?熱があるのに無理してはいけませんわ!」
「あたしは大丈夫だから!」
「そんなに慌てて…」
「ベルアーノ王の不死身を解き放つには、貴方が何とかしなければ、ベルアーノ王は動き続けます!」
「レイヒちゃん…」
「早く!早くベルアーノ王が残した封印を…!」
彼は俯いたかと思えば、薄く笑った。
「ヴィーノもそこの場所へ連れて行く。君、ヴィーノを王室へ連れてきてくれるかい?」
「はっ!!」
「何で…?」
分からない。
どうしてヴィーノも一緒なのか。
もしも、ベルアーノ王が来て、邪魔されてしまったら不死身をなくす事が出来なくなるから?
…違う気がする。
深い意味がある。
そうとしか思えない。
意味を教えて。
「呼んだか、ジュマルド」
「君も一緒にベルアーノの不死身を解く所へ来てもらう」
「…解いている途中に邪魔されたら困る、ってわけじゃないな?」
「来れば分かるよ。レイヒちゃん、レイ、フィレシアも来て」
「はい」
「俺も…ですか?」
「フィレシアが怪我とかすると過保護な兄貴が心配しちゃうからね」
「…てめぇ」
「行くよ」