街で君の唄を聞いた
「祭壇に立つと、必ず意味が分かるから」
「あぁ…」
コツコツと音をたてて、ヴィーノは祭壇に立った。
したら一気に床が光り出して、あたしや皆の下から一本の線が、祭壇へと向かう。
祭壇が光り出す。
「……………そうか。お前は既に知っていたのか。ジュマルド」
「知ったのは二年前かな」
「そしたら何故俺に言わなかった」
「いつか知る時があると僕は分かっていたからね。それに僕の口から聞くより自分で知った方がいいだろう?」
「まぁな」
会話が全く読めないんですが…。
「…俺が直系王族、お前は騎士の家系。そして顔が分からない奴に記憶や、全てすり替えられた。俺は騎士ではなく、王だった。まぁフィレシアが弟ってことと、今は亡き父さんと母さんは変わらないがな」
「そう。実の東大陸の王はヴィーノだ。僕は王を守るべく騎士だ」
「あぁ。しかし一体誰が俺らの記憶をすり替えたんだ…?」
「いいから封印を解きなさい」
「あ、あぁ…」
まさか、ヴィーノが王だったとは。
まさか、ジュマルド皇子が王を守るべく騎士だったとは。
思いもしなかった。
…だから、封印はヴィーノにしか出来ない。
ベルアーノ王の力を受け継いでいるのは、ジュマルド皇子ではなく、祭壇で封印を解いているヴィーノ。
マジで頭ヤバい。
視界がボヤボヤするし、ブレて見える。
集中しなければ…。
集中…集中…。