街で君の唄を聞いた

悲鳴と同時に、微かに嘆き声が聞こえる。



…クルシイ…。



そう聞こえる。

暴れるな…。


貴方の好きな人々が怪我をさたり、最悪の場合死んでしまうというのに。




…ベルアーノ王は、自分を忘れている。


だからこそ、暴れるんだ。

でなければ人を傷付けたりする事は無い。



人の苦しむ顔を見るために生きていたのでは無いんじゃないのか…!?ベルアーノ王…!!





バチッ





「!」




光った文字が床に…。


ヴィーノがいる祭壇から、次々と湧き出るように出てくる文字。
きっと不死身を解く為の文字なんだろうと思わされる。



「いいのか…?これで…」

「余りにも呆気ないというか…。ありがちなパターンだね。しかしそれでいいと思う。城の壁や床を伝って文字が広がっている。恐らくベルアーノは止まる」



見慣れない文字がまだまだ祭壇から…。



城がでかいのは分かったから、そろそろ止まってほしい。

不安になる。

直ぐに文字が消えてしまうのかと…。




それでも文字は進む。




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