街で君の唄を聞いた
椅子を引いて座る二人は、やはり様になる。
元がいいからか…。
「まずは、怪我をさせて申し訳ない。全く体の自由が効かなくてね。大勢の人に怪我をさせてしまった…。なんてお詫びすればいいのだろう」
「別に気にすることではありません。僕等は貴方を殺すのではなく、救う為に動いた。それだけの事です。貴方が悪いんじゃないんですから、どうか気に留めないで下さい」
「そうそう。ジュマルドの言う通りだろ。あんたが謝る必要なんて何処にもない。自分で責めてどうすんだよ。俺はそんな風に育ってないぞ」
ジュマルド皇子は良いとして。
何かヴィーノ若干言い方きつくね?
「…有り難う。私はもう不死身ではない。普通の人間に戻れる事と、住民まで被害がでなかったことを、嬉しく思う。…君達の名前を聞くのを忘れたね。僕は知っての通り、ベルアーノだ。名乗るときは自分から名乗らないとね」
「僕はジュマルドです。隣に居るのが貴方の子孫、ヴィーフェル。双子の奴は、緑がコルクロット、赤がレザルト。…そして彼女は異世界から来た少女、レイヒです」
「…そうか。君がさっきの歌声の元なのか。落ち着きがあり、尚且つ明るくて…、暖まるような唄は素敵だった。君のお陰だ。ありがとう」
「いいいいいえ!とんでもないです!」
「まあアイツはどっちかっていうと、女ーじゃなくて男だな。性格がかなり男。見た目的にも1日で男になったしな」
「斬り裁くぞ」
「ほら」
むっかつく…!!
これでも女だと言うのに…!!
しかもベルアーノ王だけ笑ってて、後みんな沈黙してるし。
いや誰か否定しろよ。
悲しいじゃねーか。
「じゃあ私の子孫、ヴィーフェルは彼女、レイヒと付き合ってるのかい?」
「「はぁ!?」」
おぉう。ハモった。
…って言ってる場合じゃねー!!
いや何で付き合ってんだよ。可笑しいだろ。前言撤回しろ。
今 す ぐ し ろ 。