もう1人の彼氏
翌日、10時に駅前で待っていたけど、いつになっても来ない。


携帯も出ない。


メールも返事がこない。


もう………!
彼女から電話でもきちゃったのかな…
帰ろうかな…


帰ろうとしたその時、

「絵里香ぁー!!!」

ものすごい勢いで自転車をこいでやってきた(笑)


しかも、寝癖だらけの頭で。



カッコイイ男が台なしだ。



「もしかして寝坊したの?」


「うん。マジごめん!気づいたらこんな時間だった…」


「起きた瞬間電話くれたら良かったのに。」


「電話するよりチャリで走ったほうが早いと思ったから…
マジごめんな!!
絵里香、暑かっただろ。
ほんとゴメン!!
どこか入ろう。
お詫びにパフェおごる!」


パフェなんて別に好きじゃないのに…
彼女が好きなのかな…

なんて、いちいち余計なこと考えちゃう。


とりあえず近くのカフェに入って、約束通りパフェを注文した。


「タカマサは食べないの?」


「…財布忘れた………」


「もう!奢るって言っておきながら私の奢りになるじゃん…!」


「いや、ゴメン、慌ててきたから…
俺、今とってくるよ、チャリで5分かからないし。
ちょっと待ってて。」


「いーよ。
私が奢るから何か食べなー。
一人でパフェなんて食べたくないしぃ。」


「ちょっ…マジゴメンな。
この埋め合わせ、必ずするから。」


「埋め合わせってなによ(笑)」


「あ、映画、次の回のなら見れるよね?」


「うーん…見れるかもしれないけど、その格好で行く気…?」


「え…?あ…………ヤベッ………」


「一度帰りなよ。」


「じゃあさ、今日はうちでビデオ借りて映画見ない?」


「うーん………」


「あれ?やだ?」


「うーん…いいよ。」


「よしっ決まりッ!」
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