花の魔女
第三章
襲撃
フィオーレとナーベル、それからジェイクは、温室に移動した。
ジェイクは温室の中に生えている椋の木の大木の下に寝転がって、2人を見物している。
「花の力を流しだす方法は、もう修得なさいましたわ。今度はそれプラス、です。応用編ですわね」
フィオーレは自分のドレスから蘭の花をとり、唇で触れた。
すると蘭はキラリと一瞬煌めいたかと思うと、パンッと弾けてあたりに飛び散った。
光の粒子がふわふわとフィオーレのまわりに浮かんで、ナーベルは目を見張った。
「何なの?とても綺麗な……」
光の粒子はまるでホタルのようにフィオーレのそばで浮遊している。
それは楽しげに遊んでいるようにも見えた。
「ナーベル様、私を攻撃してみてくださいな」
フィオーレに言われて、ナーベルはえっ、とたじろいだ。
フィオーレに攻撃するなんて、とてもできない。