花の魔女
「そうです、実はお話というのはこの子のことなのです。」
アナベラはいたって真剣な面持ちで言った。
この小さな男の子に、一体何の問題があるのだろう、とナーベルは首を傾げた。
どこからどう見たって、気弱な見習いの召使いのように見えるのに。
そう思っているのはナーベルだけではないようで、フィオーレとジェイクも同じように、不思議そうな面持ちで男の子を見ている。
男の子はますます耐えきれなくなって、姉の後ろに引っ込んでしまった。
その時、ふいにルッツが口を開いた。
「ドニ?もしかして、ドニではないですか?」