花の魔女
突然後ろから聞こえてきた声にビクンと肩を揺らし、恐る恐る振り向くと緑の髪の青年が目に入った。
「や…、あ…違うのジェイク。今のはね…」
「何が違うの、だよ。花を贈られて、頬を染めちゃったりしてるくせに。浮気だぞ、お前!」
「だから違うんだったら…!」
ナーベルが弁解しようとしても彼は聞く耳持たずで、嫌な目をしてチクチク刺してくる。
「俺はラディアンの味方なんだ。お前がそんなんじゃ、ラディアンがあんまりだろ」
「ちょっとジェイク」
「もしかしてラディアンがドロシーとかいう女にキスしたあてつけか?悔しいから自分も他の男に――」
「話を聞いてったら!」
ナーベルが突然大声を張り上げたので、ジェイクは驚いて目を見張った。
そんなジェイクには構わず、ナーベルは叫び続ける。