花の魔女
「私はただ、前にラディアンが私に同じようにしてくれたことを思い出してただけなの!浮気なんてするわけないじゃない!」
じわり、とナーベルの目に涙が浮かび、あっという間にこぼれ落ちた。
「私はいつだってラディアンのことを想ってるの……。残念だけど、彼のことしか考えてないわよ!」
言いたいことを言い終えたナーベルは肩を大きく上下に揺らしながら、ジェイクをじっと見た。
ジェイクはあっけにとられた様にナーベルを凝視していたが、一度目をぱちくりとさせてからはっと体を揺らした。
そしてにっと笑い、ナーベルの頭に手を乗せ、くしゃくしゃに撫でた。
いきなり頭を撫でられて、ナーベルは戸惑いぎみに視線を泳がせた。