花の魔女
部屋に戻り、モニカに用意してもらった一輪差し用の花瓶にシャワーライトを差し、窓辺に飾った。
窓から差し込む日の光に、ますます輝いて見える。
ナーベルはこの花に、何かを感じていた。
(何かはわからないけれど、不思議な……)
シャワーライトを見つめているとドアがノックされ、振り向きながら返事をすると、フィオーレが入ってきた。
フィオーレは目ざとくシャワーライトを見つけ、まあ!と歓声をあげて近寄ってきた。
「よくみつけましたわね。とっても珍しい花ですわ。」
「そうなの?」
「ええ。魔除けにもなる花です。そこに飾って正解ですわ。」
フィオーレがにっこりと言い、ナーベルは黙って花を見つめた。
雪どけの花。
もう春はすぐそこまできている――――…。