花の魔女

アイリーンはナーベルがこの村を出て嫁いでいった日から、ちょくちょくこの家を訪ねてきてはナイジェルの手伝いをしていく。


今までお世話になってきた分と、一緒にいたくてもいられないナーベルのためだ。


ナイジェルがいそいそと洗濯物を持ってやってくる様子を、アイリーンはにこやかに見つめていた。


「ありがとう。いつも悪いわね。」


そう言いながらカゴの上に洗濯物を積み上げるナイジェルに、アイリーンは首を横に振った。


「いいのいいの。お礼ならあの子に言ってもらうわ。いつか里帰りでもしてきたときにね。」


「………。」


ナーベルのことを思い出し、ナイジェルは思わず俯いてしまった。


アイリーンはなだめるようにナイジェルの肩にそっと手を置いた。


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