花の魔女
その後ろ姿を見送ると、カップし視線をもどし、口をつけた。
かぐわしいジャスミンの香りが焦る心を落ち着ける。
今夜は眠れないだろうと思っていたナーベルに、じわじわとほどよい眠気がやってきた。
部屋に誰もいないのをいいことに、ふあ、と大きなあくびをしてからカップをテーブルに置いた。
(本当に、ルッツには感謝しなきゃだわ…)
眠気に耐えられなくなったナーベルは、ベッドにぱたりと倒れこみ、そのまま深い眠りについた。