花の魔女
ラディアンときたときよりも、さらに森の奥に入っていった。
木々の間からこぼれてくる木漏れ日が心地よい。
リスが駆けよってきて、しばらくナーベルを不思議そうに見てからどこかへ駆けて行った。
それを見て、ナーベルはふふ、と微笑む。
すると、リスが駆けて行った方角から、かすかに甘い香りがした。
「何かしら」
ナーベルはその方角に足を進めた。
木々を掻き分けて進むにつれて、それが花の香りだということがわかった。
「!」
目の前には、一面の花畑。
「わあ…!」
ナーベルは感嘆の声をあげて花畑に足を踏み入れた。
赤や黄、水色といった色とりどりの花達がナーベルを出迎える。
「……どなた?」