今日も明日も、君を
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「栞奈。どっか行くか」
もうすぐ連休を迎えるというある日、夕食後リビングで勉強していると急に恭平さんからそう言われた。
「…どっか?」
「ん。連休休み取るからさ。行ってみたいところないか?」
「なんだろ…」
行きたいところ?
そもそも、どこかに出かけたことないからな。
「じゃあ、温泉でも行くか?」
恭平さんは旅行雑誌を眺めながらさらりとそう言った。
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