オレの破裂と15分前
オレはカバンの中から、渡しそびれた婚約指輪の箱を取り出した。
カパッ!
指輪を取り出し、まばゆく光るダイヤモンドをしばし見つめる。
「いらねぇなぁ……」
パチン
オレは箱をしめ、公園にゴミ箱が無いか見回した。
しかし、それらしき物は見あたらなかった。しょうがねぇ。芝生の中にでも投げちまうか。
カパッ!
オレは白い箱から、キラキラと光る指輪を指でつまみあげた。
ギュッ!!
右手の中で、指輪を強く握りしめる。
少し、手がプルプルと震えた。
「もう、終わったんだよ! いい加減にしろバーカ!!」
そしてそのまま、右手を大きく振りかぶった。
「せぇーのっ……」