オレの破裂と15分前
「ほ、本当にゴメンなさい! 忙しい所を呼び止めちゃって。じゃ、じゃ、あたしはこれで!!!」
そう言うと、彼女は周りの事務用品をガーッと一気に片づけ、足早にその場を去ろうとした。
「お、おい!!」
「え!?」
「何で、オレの名前を知ってるんだ?」
「え? えーと……、それは……」
「何で?」
オレは、彼女に詰め寄った。
目に力を入れ、真顔で問いつめる。
「え、えーと、多分なんか、名簿か何かで見たと……、お、思います」
「ふーん。そうなんだ」
間違いなく、彼女は嘘をついている。
こんな分かりやすい目線の泳ぎ方は、普通しないだろう。
「でもオレは、キミの名前もよく知らなかったんだよね」
「ハ、ハイ!! そ、そうですよね。きっと、そう……だと思います。ハイ」