オレの破裂と15分前
映画を見終わった後の帰り道。
ナツミは、まるでゾンビの様な足取りで、街をフラフラと徘徊していた。
ガーン!!
「いったーい!!」
あーあ、思いっきり電柱に頭をぶつけやがった。
「あ……。あ……。あ……」
「もう、外なんだけど…」
「あああああああああああっ!!」
ナツミは、完全に恐怖でうずくってしまった。
そんなナツミを、呆れながら上から見下ろすオレ。
「そんなにホラーが嫌なら、断れよ」
「だ……。だって……」
「だって何?」
「い、石上さんが、せっかく誘ってくれたから」
「はぁ……。そうか」
これで分かった。
コイツ、自分の意志があまり無い女だな。