オレの破裂と15分前
「トシユキ、昼メシにしようぜ」
同じ営業課の猿山だった。相変わらずのブサ面だ。
「お前、中華は好きか?」
「別に、嫌いじゃないが」
「よし、決まりだ。実はな、ランチタイムに女子が大勢集まる店を見つけちゃってさぁ~♪」
「女子ねぇ……」
お前とは縁の遠いものだろ、と言いかけたが辞めた。
「もしかしたら、ナツミちゃんと会えるかもしぃ~♪ むふっ!! トシユキ、お前も行くよなぁ?」
猿山はグイ、とブサイク満点の顔をオレに近づけてきた。
「ん? ん? どうなんだ? えっ?」
猿山は、完全に調子に乗っている。その勢いでグイグイとオレを押してきた。
「分かったから……離れろっ!!」
ガシャーン!!
苛立ち(いらだち)のあまり、オレは猿山を壁際のロッカーへと突き飛ばした。