私の彼氏君
        ~第6話~

「先輩待って!!!」

いつも駆け上がる階段を、今日は逆に急いで下って行く


「先輩ってば!!」


理由は簡単

先輩を怒らせてしまったから

泣かせてしまったからだ……



校舎から外へ、上履きのまま飛び出して行った先輩の、腕を掴もうと手を伸ばす



あともう少し

あとちょっと……………




「うきゃあ!!?」

「つっ捕まえた
っか先輩……走るの早過ぎ」


息を整えながら、やっと出てきた言葉は凄く情けないものだった。

「真白君の馬鹿ッ!!!」

そう言いながら、先輩は俺の手を離そうと暴れだす
俺だって、やっと捕まえた先輩の手を離すほど馬鹿じゃない。


それに先輩を捕まえたら、ちゃんと言う事があったから………





【その手を捕まえて】

「先輩のメロンパン勝手に食べてすみませんでした!!」

謝るのはその後に───
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