私の彼氏君
        ~第5話~

あの時の俺には、まだ分からなかったけど
今なら分かる、あの頃の俺の気持ちが……

俺とアイツがまだ中学2年生だった頃、本人は気付いてなかったけど、アイツは男子の中では結構人気だった


「春風帰るよ~!!」

「先に下行ってていい
このプリント終わらせてから行くから」

そう言うと綺麗な笑顔で頷き、教室から出て行った。


「なぁ春風、あの子誰?」

「ただの幼なじみ」

変に反応すると、色々言われるから俺は素っ気なく答える


「じゃあ、あの子俺に紹介してくれよ」

そう言われた時、何故かムカついた

幼なじみの俺には、関係ないはずなのに
気にする事じゃないはずなのに、何故か凄くムカついたんだ………


「悪いけどそれは無理」

どうしてかは、分からなかった
でもアイツが、他の男と話すのはムカくから

理由なんて、今の俺にはそれだけで十分だった。





【ボクの気持ち】

唖然とするソイツを放置して、向かう場所は俺を待つキミの隣り
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