内緒の想いを抱きしめて
すっかり暗くなっちゃったなあ…


部活が終わって、
窓から外を覗くと外は真っ暗だった。


電気も部室前の廊下しかついてない。

困ったな…今日は杏奈ちゃんが早退しちゃったから、
ひとりで鍵閉めしなくちゃ…



わたしの部室は、
どこの部室よりも終わるのが遅いので鍵閉め当番になっている。


わたしと杏奈ちゃんは二階の教室棟担当。


でも…
今日は杏奈ちゃんがいない。


暗い廊下を、
職員室から漏れる光を頼りに歩いた。


いつもは怖いのに、
その日はなんだかいつもと違う空気がして、
全然怖くなかった。



教室棟近くになると、
さすがに職員室からの光も届かなくて、
少し暗くなってしまった。


でも、かわりに小さな部屋から光が漏れていた。


…生徒会室。


いつもはこの時間、
誰もいないのに。
誰かいるのかな…


とにかくよかった。

誰かいるってだけで、結構安心。


今の気分でも
さすがに教室棟は少し怖かった。


「!」


ドンッ!


生徒会室の前を通ったとき、
中から誰かがでてきてぶつかってしまった。


「あっ…」


先輩…


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