内緒の想いを抱きしめて
放課後、
わたしは先輩に昨日伝えられなかったことを告白することにした。


杏奈ちゃんには、
ちゃんと想いを伝えるからって先に帰したけど……



緊張するーっ!
ファイト、わたし!



自分を励ましつつ、
とりあえず先輩を捕まえるために靴箱の前で待ち伏せ。

三年生ばかりが通るところなので、
かなり見られて恥ずかしかった。


しばらく我慢していたら、先輩が廊下を歩いて来るのが見えた。



目があった。



「あっ」


わたしが先輩のところに行こうと足を踏み出すと、
先輩がダッシュで駆けてきて私の腕を掴んで、
先輩の縄張り、生徒会室に連れ込んだ。


「なんで……あんな、ところに…恥ずかしい奴!」


ドアをピシッと閉めて息切れしながら先輩が言った。


「先輩を確実に見つけられるの、あそこだから…」


わたしは先輩の行動のほうが恥ずかしいんじゃないかと
心の中で吹き出しながら
ドキドキで倒れそうになりながら


「わたし、先輩に言いたいこと、あるから、待ってたんです」


もう頭がクラクラして倒れそう。


「……何?」


先輩が静かに聞いた。

それがさらにわたしを緊張させる。


恥ずかしくって涙がでそうだったけど、思い切って口を開いた。




「わたし、先輩のことが好きでしたっ」




< 20 / 23 >

この作品をシェア

pagetop