トップモデルたちの恋
俺は、あの涙の理由を
考えた。
深く考えなくても
すぐにわかった。
彼女には好きな奴が
居たんだと…
俺はすぐに彼女に
電話をした。
たった1コールで
出た。
「もしもし?」
向こうから聞こえてきたのは
重なった2人の
泣き声だった。
それにかすかに聞こえたんだ。
『私はじゅんやを
わすれなきゃいけないの?』
と。
それは俺が一番聞きたくない
言葉だった。
俺は電話を切った。
彼女の心は
奴にあるんだと。
だから、本当の名前を
教えてくれないんだろう。
俺も彼女の本名を呼びたかった。
「みなん」
ただそう呼びたかった。
俺は1人暗い夜を
反省の時間として
過ごした。
~罪悪感・完~