優しい本音で、溶かして。


「落ち着いた?」

少し落ち着いたあたしに、小澤さんが聞いてきた。

「はい…ありがとうございます」

パッと思わず、小澤さんから離れてしまった。


あたしったら…小澤さんの前で泣いちゃったよ。

恥ずかしい…


そんなあたしを小澤さんはくすくす笑う。


「何が可笑しいんですか?」

ちょっとムッとしながら聞くと

「ごめんごめん…鼻水出てたから」


「え!?」


あたしは、急いで鼻をごしごしこすった。


だけど…


「あれ?」

鼻なんて、濡れていない。


すると小澤さんは悪戯っぽく笑うと


「う・そ」


馬鹿にしたように言ってきた。


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