優しい本音で、溶かして。
「ちょっと休んでくる」
みんながお姉ちゃんと雅人さんを祝福している中、あたしは母にそれだけ伝えて、人々の輪から外れた。
走って、走って・・・
たどり着いた場所は、誰もいない、花畑の中。
地面に崩れ落ちるなり、涙が出てきた。
完全に・・・失恋しちゃった。
もう、どんなに好きでも・・・叶わない。
叶うわけがない。
雅人さんとお姉ちゃんは、永遠の愛を誓い合った。
2人の絆は、より一層、深まった。
悲しくて悲しくてしょうがなかった。
希望もなくなった恋。
もう、忘れてしまいたい。
こんな・・・・恋心。
―――カサッ
その時、後ろから物音が聞こえた。
振り返ってみると
「何・・・・してんの?」
明らかにあたしよりも年上の男の人が、あたしを見下ろしていた。