優しい本音で、溶かして。
差し伸べられた手を、戸惑いながら握ると

「そろそろ戻ろう?みんなが心配するよ」

小澤さんはそう言って、あたしを立ち上がらせた。



その手はまるで、救いの手のような気がした。

失恋に苦しむあたしに、静かに差し伸べられた、救いの手。

・・・・・・・・・・・・・・・そんな感じ。



式場に戻りながら、色んな話をした。


小澤さんは、雅人さんの通っている大学の先輩だということ。

あたしより4つ離れた21歳だということ。




そして何より・・・・・・・・・・お姉ちゃんのことが、【好き】だということ。



この人も、同じ思いをしていたんだ。

あたしと、同じだ。


そう思うと、

「あたしも、雅人さんのことが好きでした」

今までずっと心に溜め込んできた思いを、初めて、人に話した。

それも、初対面の小澤さんに。





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