飴色蝶 *Ⅱ*
菫は、庵の手を取り、繋ぐ
そして、彼を見つめて言う。

「イオリ、極道をやめて
 二人で一緒に逃げようよ
 
 私、どこへだって
 付いて行くよ
 
 どんな苦労だって、貴方が
 傍にいてくれるなら
 乗り越えてみせるよ

 だから・・・」

庵の表情が、一変する。

どんどん険しい顔つきになり

彼の優しさは身を潜め

私は怖くて、繋いだ手を離した

庵の瞳が変わる。
  
誰も・・・

ううん、この私でさえも

近づく事のできない

鋭い瞳に変わる。
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