飴色蝶 *Ⅱ*
泣き声で、彼女は話す。 

「別れるか、どうかは
 今はまだ、答えが出せないよ
 それでもいい?」

「ああ、答えは急がない
 それから、すみれ
 お前の、これからの事は
 シュリに頼んでいる」

「どうして、シュリさんに・」

驚く菫に庵は、ゆっくりと
説明する。

「きっとお前が俺の女(イロ)
 である事を、奴らは、もう
 嗅ぎ付けているはずだ
 抗争が落ち着く間は、シュリ
 に案内された部屋で生活を
 送ってくれ
 
 ここへは当分は戻って
 来れないだろう
 必要な荷物は、まとめて
 置いた方がいい
 近いうちに、カナメに迎えに
 来させる」

「分かったわ」
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